JGSDF Fuji firing and training exercise

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富士総合火力演習



以前、研究会で戦車の試乗をしてから、 個人的にも注目の陸上自衛隊。 陸上自衛隊といえば、戦争でも災害救援でもなければ、この富士総合火力演習が 一般の人々との数少ない接点だろう。 「期限切れ近い弾薬の棚さらい」、「在庫処分」の演習とも言われるが、かなりの量の 実弾をぶっ放して派手な演習という噂もあって興味があったので、応募してみた。 が、人気のあるイベントでそうそう当たらず、ここは市場原理、Yahoo!オークションに出品されていた 青年券を2千円で買って行くことにした。 「早く会場に着かないとロクな席じゃ見られない」というインターネット上の記事を見たので、 5時に起きて朝一の電車に乗って御殿場駅へ、そこから臨時バスに乗って会場へ。 結構シンドイ小旅行である。 観覧スタンドは既に一杯だったので、シート席と呼ばれる地べたの席の一番前は確保したものの、 雨が降って大変。自衛官の着ている装備とは違い、100円ショップのカッパにごみ袋2枚では 雨の演習場には勝てない。雨のなか弁当を食いながら、その態勢で演習開始を2時間半ほど待つ。 こんな状況を考えると、我ながらおかしい。 本当にアホちゃうか?と思えてくる。

2001-8-31

演習は2部構成。 前半は陸自の装備を順番に紹介するコーナー。 後半が本土防衛のストーリーを想定した演習。
前半でも、着弾地点はこんな様子。 ずいぶんと遠いので、光が見えてから爆音がするまでの 時間差が大きい。
湾岸戦争で有名になった、多連装ロケットランチャーMLRS。
正面の舞台に上がってくるものの、ミサイル撃つことはできず展示のみ。
203mm自走榴弾砲。
これもMLRS同様アメリカものなので、アメリカ軍ではM110A2。 ライセンス生産だが、配備は91輌しかない。 むきだしの砲が、いかにも「大砲」という感じを醸しだしている。
自走中の155mm榴弾砲FH70。
普段はけん引されるが、けん引車両がなくても時速16kmで自走もできる。 まぁ、なんというか、トラクターみたいな自走ですけどね。
長距離射撃をする特科の展示は少し地味な感じ。
特科と比べると、ヘリコプター部隊(航空科)はやはり派手。 対戦車ヘリ、AH-1Sコブラが谷の下から現れるって演出は凝っているでしょう。
目の前で射撃するし、空中で宙返りするし、ヘリのアピール度は満点。
ヘリのアピール度も高いが、やはり一番は機甲科の戦車部隊。
手前で74式が射撃中。
後半にはいって、64式対戦車誘導弾。
前半は雨のため、三沢基地から飛んでくるはずのF-4J改は 来なかったし、空挺部隊の降下も見られなかったので、 後半に期待したいところ。
87式偵察警戒車。
これは、戦車の試乗の時に乗せてもらいました。 その時は「いすず」と聞いていましたが、コマツの建機を見に行った 時にコマツの製品ラインアップに入っていましたから、コマツの製造 です。
ホンダの2ストオフロードのCRMを大小2台持っている私としては、 「オフ車の使い方はこういうものだ」というのを見せ付けられる 単車でのデモンストレーション。 機動性という点では、単車にかなうものはそうは存在しないでしょう。 ただし、大きな兵器を搭載するのは不可能ですがね。 単車は主として偵察活動の役割ですが、乗車状態からの射撃はやっていました。
偵察に続いて、ヘリボン行動。
UH-1から降下で陣地を確保して、これから攻撃に 移るというところで、演習も佳境に。
草原の影からヘリがジャンジャン出てきて、プラトーンとか地獄の黙示録 とかベトナム戦争をテーマにした映画っぽいぞ、なんて思ったりして。 というよりは、ヘリが最初に大規模に使われたのがベトナム戦争だからな。 やっぱり、そういうイメージ。
90式戦車も整列して出てきて攻撃です。
戦車のメカっぽさは格好いいよなと思う。 地上最強の兵器だというのには違いない。 しかし、正規軍が向かい合う戦争では有効だろうが、 テロの戦争の時代には使いにくい兵器だよなぁとも思う。 安価な誘導ミサイルなんかで、10億円の戦車と それより遥かに高価な乗員が吹っ飛ばされたのじゃ たまらない。
74式も混じって、交互に射撃。
戦車砲の射撃の迫力は、「スゴイ」の一言だ。 ミサイルやロケット砲と違って、単なる大砲なので弾に推進力が あるわけではないから、発射時に与えられる初速が一番大きいわけだ。 この衝撃を見てる方は間近に感じるのだから、音と衝撃は とにかく「スゴイ」。
陣形を変えるため移動中の90式戦車。
泥を巻き上げ、砂埃を立ててだが、やはり2ストエンジンの排ガスが 黒いので、その黒さも目立つ。
着弾地点は、こんな様子。
戦車砲の迫力は満点なので写真に収めようとするが、 実際迫力のある画を撮るのは難しい。 この写真のように、砲の先から煙りを噴いている、なんとも 情けない感じになってしまう。 炎が見えるのは一瞬なので、「撃つぞ、撃つぞ...」というところで シャッターを切っても、なかなかタイミングが合わない。 格好良い戦車砲の画を撮るなら、動画で撮るのが良いでしょう。
92式地雷原処理車からロケットを発射して、 戦車の道を作り、
全部隊、前進。
ヘリもやってきてクライマックス。
国旗を降ろして終了。
で、後は装備品の展示で近くで色々見れるお時間なのですが、 あまりに人が多くて混むので退散。 出口まで行くのも一苦労。 バスで御殿場まで帰らないといけないのだから、ゆっくり していたらいつ帰れるか分かりません。

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