AT Swap!

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ATのスワップ




13万キロ直前でAT逝く
ビンボーなDC1オーナーならば、「そりゃ載せ替えだ」

作業場所といえば研究室の工場しかない。
なにせ電気「自動車」研究室。クレーンもあるし一通りの自動車整備ぐらいできます。 ただ私的な修理なので、実験車両の裏に隠し...
このような状況。
もう、壊れたAT落としてあります。 4輪ともウマにかけ、フロントはできるだけ高くして 作業性を確保。 リフトがあればずいぶん楽なのですが、そこまでの贅沢は 望めない。 作業手順を簡単に並べれば、配線などを外し、エンジンとの間の 取り付けボルトは外し、足をばらしてドラシャを抜いて、 エキパイを外した後、潜り込んでエンジンの出力プレートやコントロール ケーブルを外し、エンジンを吊った後マウントのボルトを外せば ミッションは落ちる....ということだが、まぁこの中で気を使うのは エキパイのセルフロックボルトをいかにうまく取るかのところですかね。
オートマを降ろそうとジャッキを下にかけたのだが、もともと バランスが悪いので、まずトルコンが滑り落ちてATFを撒き散らした。 「おー、何てこった」と思っている間に、変速機自体もジャッキから滑り落ちる。
落ちたトルコンだが、中古のATに付いてきたトルコンと比べると 真っ黒に焼けている。 トルコンというのはこういうものだというのは本では見たことあるが、 実際に現物のトルコンを見るのは初めて。 「蓋をした鉄の鍋」というが、実際そんな感じだ。
購入した中古AT。 走行48000km、フロント事故のZXから剥ぎ取られたものだが、 こういう部品を扱うちゃんとした解体屋さんでATFクーラーへ行く パイプはガムテープで封をしてあるし、車速センサーやコントロールケーブルは カプラーを残して配線側で切ってあるなど、結構気を使って外してある。 これを見ると、中古部品というのも悪くない。
壊れた変速機。M48Aで浜松製。 買ったのはS48Aで鈴鹿製でした。 車体番号で、途中から生産工場が切り替わっているようです。
やはり13万キロ近く使うと、クタビレた感じがしますね。
スターターモーターはこちらから外して移植しないといけない。 上につくサイドマウントは中古の方にもついてましたが、左側に 伸びているストップマウントは、これも移植。
部品群。
エアクリーナーボックスは最初に外す部品でした。 大きなのはエキパイぐらいですね。 電動ファンはエキパイのナットを外すのに邪魔だったので、 外してしまいましたが、外すには冷却水のパイプを一旦 取らないといけなかったので、冷却水まで撒き散らす羽目に なりました。 まぁ、この後ATFを撒き散らすことを考えると、冷却水なんて かわいいものです。
エンジンの出力側のドライブプレート。
これをトルコンにつなぎます。 そこは小さなボルト8本でつないでいるだけなのですが、 覗き穴みたいなところから、クランクプーリーを回しながら 取り付けるので、作業は大変。 空回しといえ、クランクプーリーを回すのは重たいですからね。
ZCシングルカム16バルブエンジン単体でございます。
DC1のインテグラには、丸目の100系とタイプRと同じ110系がありますが、 この前期と後期では外装だけでなくエンジン関係もかなり変わっています。 エンジンの見た目もヘッドがこのようなチリメン塗装でなく、シビックのD15 のアルミそのままなヘッドカバーになっていたはず。 パーツリストを見ているとミッションケースなども変更なので、同じZCといっても 注意しないといけません。
ロアーアームがブラブラな左のフロント足回り。
ドラシャは中間シャフトがないので、非等長です。 左の方がやけに長い。
ベルノで注文したショートパーツ類。 無くした純正ホイールナットも2個注文。
ドマーニのサービスマニュアル・シャシ整備編に従って 頼んでみたが、作業終わってからも使わなかった部品が多数。 エキパイのセルフロックナットとかは交換必須ですね。 足回りのナットを結局替えなかったのと、ボールジョイントを外さなかった分の 割ピンなどが残りました。
新旧のトルクコンバーター。
トルコンは生きていそうだったので、そのまま使おうかと思っていましたが、 並べてみて、やはり「13万キロより5万キロ」と思い直して、 中古に付いてきた(まだ白い)トルコンにする。 しかし、ATFを注ぐのに苦労する。注いでは斜めにして空気を抜くが、 なかなか入らない。構造的に完全にATFを満たすのは無理と思って、 外したトルコンと重さを比べて適当なところでやめる。 大体入っていれば、自分の油圧で逃がしてくれるものでしょうか。 その辺りは、まぁ適当でいいでしょう。
スターターモーターなどを移植した中古AT。
ATFはホンダの場合、DEXRON-IIIでも純正以外お勧めできないという 話でしたので、イエローハットで買い求める。 ただ、無印な「ホンダ・ウルトラATF」という缶がなくなっていて、 「ホンダ・ウルトラATF-Z1」という商品に変わっていた。 店員さんに聞いて「古いタイプも対応」ということを確認してから購入。 4リッターで4200円は安くないからな。 この新型のZ1のつくATFは、非常にクサイ。例えれば、便所の臭いです。
というような感じで、あとは取り外したのと逆手順で載せるだけ。
昼すぎから始めて、載せ終わったのは午前1時半ぐらいでした。 で、ATFを注いで暖気して量の調整をしたあと、試走、後片付け、 掃除を終わって帰ったのは、3時半ぐらいですか。 いやぁー、エアコンコンプレッサも替えようと思っていましたが、 そこまで体力残ってませんでしたね。

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HTML by Shiro Matsugara